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パブロフの犬

パブロフの犬という言葉がある。
餌をあげるときに毎回鐘をならしてからやると、その犬は鐘をならすだけで餌を期待してよだれをたらすというアレだ。


俺はどうだろう。
いつもエロゲと将棋を同時にしている。将棋部員として少しでも時間を確保するためだ。
だが同時にやっているのはエロゲ。対局相手は知る由も無いが大変失礼な行為だ。おまけにボッキしている。対局相手からすればたまったものではないだろう。


そしてあるとき、部室に行って先輩と将棋を指していた。
するとどうだろう、真面目に手筋を読んで真面目に将棋を指しているにも関わらず、当然雑念など無いのに俺はボッキしてしまった。先輩は気づいていない。
これが大会とかであれば恐らく間を挟んで冷静になるため、頭を休めるため、さまざまな理由で対局相手はふっと周りを見渡す瞬間を作るだろう。そして気づく。自分の対局相手がボッキしていることに。
彼は焦るに違いない。なんせ俺は斜め下にある将棋盤を必死に見つめ、戦略を練っているのだ。
だが俺の大きく盛り上がった股間部分を目にした対局相手にはこう映るだろう。

斜め下。つまり自分の股間に熱い視線を送っているのではないか、と。もはやどうやって将棋で相手をハメるかの勝負では無い。いかに相手にハメられないようにするかだ。
集中を乱す相手。一方股間のことなど忘れ、集中して相手の守備の金銀を1枚ずつ剥がしていく俺。次第に追い詰められていく玉。
恐らく彼の目にはこう映るだろう。この玉(ギョク)が逃げ場を無くして詰んだとき、自分の命運も尽きると。玉(たま)もどうなるか分かったものではない。
それに気づき必死に逃げ、必死に攻め、一手差での勝ちを狙いにくる相手。それをかわす俺。そして詰み。顔面蒼白になりながらもやっとのことで負けましたと呟く。俺はありがとうございましたと声に出す。
そこへすっと俺が近寄り耳元にそっと息を吹きかけるように「お願いします」と。相手からすればたまったものでは無い。今からどのような対局が始まると言うのか。勝利条件が無いじゃないか。こうして俺は盤外戦術としてボッキがいかに使えるかを認識し、取り入れて強豪へのし上がっていく・・・




って妄想をしたけどボッキしたまま負けたら恥ずかしそうだからこの癖は迅速に直さなければならないと思う。実際先輩には負けたし。逆にその後妙に熱い視線が俺の下半身一体に注がれていた気がするし。


将棋は普通に指しましょう。